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2010-04-0510年品質のユーザインタフェース−その4

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JR東海新幹線予約サイトのUI設計プロセス-4


「ユーザのユースケースで選べる作法」というコンセプトからメインの三つの予約プロセスメニューが導かれ、サイトの入り口で提供する「エクスプレス予約メニュー」が創られました。


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1.ユニバーサルデザイン:ユニバーサリティは2000年の当時には既にユーザインタフェース設計現場では、一般的な理念として普及していました。ユニバーサルデザインが今ほど言われる前は、一般的には「イージーユース」というキーワードが使われていていました。ユーザインタフェースを設計するときの基本的目標として「イージーユースが目標です」とコンセプトには書いたものです。この時のイージーユースという考え方は、今となってはそんなの当たり前でしょうと思われるでしょうが、90年代のユーザインタフェース導入期では、「イージーユース」という言葉が標語として使われるぐらい、機器のインタフェースは使いにくいものであふれていました。だからまずはユーザビリティを評価して、課題を発見し、イージーユースを獲得しましょう、というユーザインタフェース設計の流れが一般化していったのです。そしてそのイージーユース指向を強力に後押しすることになった「ユニバーサルデザイン」が、当時共用品の推進やバリアフリーへの注目が始まったプロダクトデザインの現場と呼応して、ユーザインタフェース設計現場でも広がっていきました。

前置きが長くなりましたが、こうしたユニバーサルデザインの始まりの頃に、このJR東海新幹線予約サイトプロジェクトが始まりましたので、当然ユニバーサリティは重要なユーザインタフェースコンセプトの視点でした。

当時新幹線予約は既にJR西日本のインターネット予約で実行されていたのですが、当時の画面(添付参照)をご覧になれば分かりますように、予約プロセスのステップナビゲーションとその第1画面がトップページに配置されていました。実は当時インターネットを利用することそのものがまだ発展途上で、パソコン+Windowsの普及期ではあったのですが、実際の利用という面ではまだまだPCに対するリテラシーの差は大きく、この画面でチケットの予約がすいすいとできる人は限られていて、PCリテラシーの高いユーザを対象にしていたのです。JR西日本にとっては新幹線予約は何パーセントかのユーザの満足を得られれば良かったかも知れません。しかし、JR東海にとって新幹線予約はメインの中のメインユーザに向けてのサービスですので、PCリテラシーが低い人でも大いに利用してもらえる予約サイトでなければならない、と言う目標がありました。

そこで提案したのが複数の予約プロセスをメニューとしてシンプルに提供する現在のトップ画面です。


2.ステップ作法-山登りモデル:前回の「誰にも優しいステップバイステップ」3.サイトの構造システム(アーキテクチャ)でステップ作法については解説していますが、ここではユースケースとステップ作法との関係について解説します。

「いつもの列車を予約」「時間指定で予約」「列車名指定して予約」いずれも最終的には予約を実行すると言うことでは、同じ目的であり同じようなステップを踏んで決定していきます。新幹線のチケット予約ですから、チケットを予約するという目的は当然同じです。違うのはアプローチが異なるだけです。最終的に同じ座席指定になるかも知れませんが、アプローチが異なるということです。このようなモデルを山登りを例に話すことがあります。山登りは最終的に登頂する頂きは一点ですが、山登りの上り方や起点をどこにするか、途中の経路によってもルートは様々に異なります。この山登りモデルは複数のルートが有り、それぞれにユーザによって、ユースケースによって異なる、と言うモデルです。山登りのモデルのようにゴールは一点であっても複数のルートを提供する、と言うコンセプトはユーザにとっては選択枝が広がります。そしてそうした選択枝を並行的に同等の選択できるルートとして提供する、というルートメニューにしたことが、このJR東海新幹線予約サイトがロングライフを獲得している秘訣だと思います。

実はこの三つのメインのルートですが、そのルートの中身は10年の間に何度もバージョンアップが繰り返されています。使い続けている方はご存じだと思いますが、それぞれのルートの画面は、時代の要求と共に変化しているのです。その変化を受け入れられるきちんとした構造を設計できること、それがUI Architecture設計の要です。


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