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2010-04-1110年品質のユーザインタフェース−その6

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JR東海新幹線予約サイトのUI設計プロセス-6

「社会モデルの活用」というコンセプトから、「誰もが知っているモデル、カレンダーや路線図の利用」が導かれました。


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このコンセプトの元祖は勿論パロアルトのデスクトップをメタファとして捉えたGUIです。メタファという考え方は、他の世界で獲得した体験を喩えとして引用することで伝えにくい複雑な考え方を簡単に表現できるということで、とても自然な方法だと思います。その自然な考えをコンピュータとの対話に持ってきたことが、今日のコンピュータ文化を身近にした最大の功績ではないかと思います。もっとも、今時メタファや社会モデルをインタフェースとして活用することは、当たり前のことになってますので、こんなメタファの有り難みを感じるのは、初期のパソコンやワープロを四苦八苦しながら触れていた経験があるものだけの感謝の視点かも知れません。


さて、JR東海新幹線予約サイトにおけるメタファですが、

・日付指定にカレンダーを利用

・座席指定に座席一覧図を利用

・日本地図上に描いた新幹線路線マップ(これはまだグラフィックのみです)

いずれもメタファ(比喩)と呼ぶほどの例えではないかも知れませんが、コンピュータ黎明期と言わなくてもインターネット導入期のテキスト中心Web時代には、こんなグラフィカルUIは絶対通りませんでした。このプロジェクトが始まった10年前でも、Webアプリケーションで実装できるUIは、まだまだチェックボックスやプルダウンメニューが主流でした。


そう思うと当時としては大変先進的なWebUIを実現していたと思うのですが、今となっては当たり前???と思いきやさにあらず。例えばAmazonで本を買うプロセスを今すぐ辿ってみて下さい。


─検索窓にキーワードを入力、は店員さんに○○はどこですか?と問いかけか?

─出てきたリストは数千数百件の長蛇の列で、本屋の棚のボリューム感は想起できない

─表紙画像リストは本屋さんの平積みメタファの売れ筋感は見えない

─選んだ書籍の「こんな書籍も・・・」リコメンドは沢山あるが、書籍の中身は相変わらずのぞけない

─一冊買うにもカートに入れろ?

─カートを見ると今入れた本は文字だけになって、関連本のサムネールがやたらと並ぶ(知ってました?カートの中身表示ではサムネイル画像はないのです)どこがカートやねん!おこるよ〜(怒りのついでに、カートの中の本がどんな表紙だったかを見ようと選ぶと、該当書籍の詳細表示になりますが、その画面で右には[ショッピングカートに入れる]ボタンがデカデカと待機してます。これは私がUIデザイナーなら[ショッピングカート一覧に戻る]です。Amazonさんに誰か教えてあげて下さい。やれやれ、こんなせこいUIで2冊買いをさせる間違いを・・・私ともあろうものがしてしまったのです。しかも2度も・・・くやし〜)

─カート内の出し入れでも、いちいち画面書き換えしてますが、JR東海新幹線予約サイトでは、候補リストからの選択は一画面で処理してます。10年前からです。

─サインイン→宛先→???あれれ?商品確認とギフトは飛ばしいきなり配送ステップへ。なんでかな〜と戻ろうと思うと「本当にもう一度フォームを送信しますか?」アラートが表示される。サインインしてるのにもかかわらず、、、しかもクリッカブルなバスストップボタンかと思いきや、ナビゲーションは表示のみ。JR東海のナビゲーションボタンと雲泥の差です。

気持ちを立て直して戻って見ると、カート画面にギフトの選択チェックボタンが。ここのギフトチェックがされてるとギフトへ進行するが、、、商品確認はやっぱりとんだ!!!なんで、、、すごく焦りますよね。

─しかもギフトに遷移するとギフト包装300円!!!このステップをあらかじめ飛ばすために、カートでのチェックがあったのですが、でもいきなり配送ステップへ行って、その時にギフトしたいと思ってもカートまで戻らないとできない。しかもギフト画面に辿り着いたら300円?レコード屋さんでギフトパックしてもらって包装代取られたことないです!

─会計のクレジットカード入力も型どおり

─確認画面は文字だらけでなにがなにやら・・・

誤解のないようにコメントしておきますが、書店メタファーになれば嬉しいと言っているわけではありません。書店が画面上で出てきても、あの懐かしいSecondLifeと同じ事。デジタルだからできるパフォーマンスを人間の想像力と重ねたところに、ビューティフルなUIエクスペリエンスが創出できる、と考えています。


こんなAmazonがデファクトであることは、日本に取ってはありがたいと思うべきでしょう。さしずめこのAmazonは自動車におけるT型フォード。ユーザオリエンテッドなカローラやサニーが日本の道路を埋め尽くした60年代のように、真にユーザオリエンテッドなソフトウェアやサービスを生み出すのは日本です。ユーザ指向は米国からは生まれません。その理由は、創造者のジレンマがあるからです。(そんなことはない、あのアップルは世界中で指示されている?指示されているかも知れませんが本当にユーザオリエンテッドか・・・次回考察してみましょう)


10年品質のJR東海新幹線予約サイト、京都府観光情報システム、オムロン銀行ATM、ヒューマンインタフェース学会VI&ホームページ、(某企業のOA複合機UIの基本概念モデルを20数年前に開発し、現在も基本モデルは生き続けています)いずれも、人間の思考の空間配置原則を集積研究を続けてきた成果「思考地図」を使って概念モデル設計をおこなっています。


ロングライフを生み出す秘訣は、人間が望んでいる本質的な価値を探り出し、普遍的な概念モデルとして構築することです。「思考地図」を使ったUI設計プロセスなら、そんな概念モデルを設計することができます。