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2010-12-23ICTの歴史とUIコンセプトの歴史

オフィスアプライアンスの

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最近つらつら思うのですが、(リコー→インターソフト)尾上さんというUIの先頭打者をフィーチャーした「日本のアプライアンスユーザインタフェースの歴史」を綴っておかないと、と思っています。結局そうしたルーツと、その現場で考察されたことが今の時代の人たちに伝わらないと、アプライアンスモノづくりとしてのユーザインタフェースとはどんなことなのかは、消えて行ってしまうのでは、という危機感があるからです。


なぜ消えてしまうのかというと、ウェブ世界や米国型のTwitterやUtubeといったアミューズメント型の魅惑に負けて、人類にとって共益的なツール(道具的システム)は後回しになってしまうからです。建築世界で例えると、万博やデズニーランドやジェットコースターのようなアミューズメント施設に注目が行って、肝心の住空間(ホーム端末)や道路や橋(情報のやりとり場)や公園(情報の憩いの場)、公共施設(生活情報支援)といったICTを人類のために利用するべき目的に、リソースが注ぎ込まれない、という懸念です。

(米国のアミューズメント指向と日本のアプライアンス指向が本論の底流にあります)


JR東海の予約システムが10年間モデルチェンジなしに、しかし個々の機能の中身は日進月歩で洗練されて行っている、という事実に、1つの救いを感じながら、この事実をあらためてICTの公益視点から注目して、世界に呼びかけるべきではないかと思うのです。チケット予約というスタート/ゴールモデルのスタンダードUI概念モデルはJR東海新幹線予約サイトで実現されたから、10年間使われ続けている、ということに、注目しておきたいと思います。なぜなら、10年前から始まったウェブパフォーマンスという世界がエンタテイメント性に重心を移しながら拡張を続けているがために、誰もがどこからでも欲しい情報にアクセスできる、という本来のユビキタス社会の実現を阻害していると思うからです。住民票を取るといった日常的行為が、いまだに普及できないという、使えない官公庁のウェブサイトのはびこりを容認し続けている事実が、そこにあります。


JR東海新幹線予約サイトプロジェクトの前にあった公益的プロダクトがオフィス向けのデジタル複合機だと位置づけることができます。バラバラだったコピー、FAX、スキャナー(ファイル)を1つの統合というアプライアンスを生み出した。このオフィスにおけるアプライアンスモデルは、実はその後のPC成長のトリガーとなったと位置づけることもできると思っています。そしてのそのアプライアンスモデルの象徴として、タッチパネルによる統合型UIコンセプトモデルが、尾上さんをはじめ当時GKにいた大草と私が担当して生み出されたのです。


オフィスにおけるPCの台頭は明らかにWindows95が契機であったのですが、実は背景的にオフィスにはMFPという中心的なインフラ機能が備わっていて、オフィスを持つと言うことはMFP(又はコピー機でも良いのですが)を導入することが当たり前だった。ということは何を意味するかというと、MFPの持っている機能は動かしようのない機能で、それを再編してまでして新たなITを導入することはできなかったのです。


このオフィス環境は、実はゼロックスが発想したワークステーションという理想的ワーク環境の実現を止めてしまった、と言えるのではないか。コピーやFAXなどバラバラにあったのが、誰にも便利なMFPに融合したことによって、実はワークステーションという個人のナレッジを支援する理想的仕組みの成長を阻害し、結果的にMFPに無い機能だけ、すなわちオフィスワーク支援として残っていた文書制作機としてのPCが成長の糸口を掴んだ、というのが80年代後半から90年代後半のオフィス機器の歴史的展望です。そこには、道具の歴史が相対的に作られていった事実が読み取れると思います。


すなわち何が言いたいかというと、MFPというオフィスにおける一時代の主役が、日本のお家芸として誕生させることができたから、今日のICTの基礎が築かれたのだ、といことです。


それ以後、PC(米国)、インターネット(米国)、ケータイ(世界と日本ーガラパゴス化)、スマートフォン(米国)、とアプライアンス領域が変化しているが、日本のお家芸としてのアプライアンスの舞台は途絶えて久しい。


そのテーマ領域として、私はホーム端末に今注目していきたいと思っています。