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2011-01-08ICTの歴史とUIコンセプトの歴史(その2)

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物事の歴史は、その物事を取り囲む様々な要素との相対的な関係の中で生まれ、育まれ、成熟し、次世代へと受け継がれていくものです。すなわち、独自に進化しているように見えるものであっても、そのものの周囲に有る競合品やそのものに対立する、もしくは日頃意識されていない基盤との関係性の中で成立しているものです。


十数年前には倒産寸前だったが、現在株価、売上ともにICTにおける覇者となったAppleの数々の製品群やサービスも、実はPC世界のデファクトWindowsやその上で展開されていったWeb世界、さらにWebの主役として躍り出たGoogle、といった技術の水平レイヤーを重層しつつ成長してきたICTの強力なデファクトが存在していたが故に、そうしたデファクト争いとは距離を置くことができたのが、成長の背景に見えざる力として働いていた、と俯瞰することができます。


15〜20年前マイクロソフトが覇者となったときに、IBM型垂直統合モデルから水平分業モデルが有効に働き成功した、とビジネス世界で盛んに言われていました。その水平型分業モデルは、米国のICT産業躍進の強力な構造論としてもてはやされていきましたが、そしてその影響をもろに受けたAppleが死に体寸前であったがために今日の躍進の立役者としてジョブスを神格化していますが、実はデファクトの自縛による落とし穴が幸いした、少なくとも自縛から逃れるための負担が不要だった、と解釈することもあながち間違いではないでしょう。


こうした歴史を競合や周辺要素とともにマップ化し俯瞰的に捉えていくことは、未来をイメージしたり戦略を考察していくためには重要です。私が最初に手にした戦略的なノウハウを解説した書物大前研一「企業参謀」は、1980年代当時始めていたマップを使ったコンセプトワークが、事業や製品の戦略地図として役立つのだ、と自信を持った始まりでした。


以来、あらゆるプロジェクトでアクシスを切ってマップ化することを起点とするようになっていき、1990年代には現在の「思考地図」として座標軸を固め、さらに最近は思考地図そのものを思考のエンジンとして道具化する、という方向を追求しつつあります。


このような、物事の俯瞰法を「思考地図論」として語っていくのは、抽象性が強くなりすげて大変難しい、と今年一年の思考地図事業を反省し、具体的な経験を元に歴史の記録として紐解いてみたいと考えました。そして俯瞰型思考をもの語る舞台として、コンセプトをマップ化することを中心に実践していった複合機開発の頃、80年代が最適だろうと考えています。そのなかで、マップ化からコンセプトを導き、そのコンセプト(概念)のモデル図を描く、という俯瞰型思考の方法を紐解くことも同時に行っていいけると思っています。


今日添付しているいくつかのマップは、当時尾上さんや私、大草さんが描いていたものです。大きい図としてお見せできないのは残念ですが、当時描いていた戦略俯瞰マップの様子が少しは伝わるかと思います。


そしてはじめに申し添えておきたいことは、こうしたマップが誰かがさらっと描いた、というのではなく、頭を付き合わせて何度も何度も会話しながら「この関係だとこれは言えるが、大事なあのことは位置づけにくい・・・」「では座標をこう入れ換えたら・・・」「背景としてこのことも匂わせておきたい・・・」といった、対話しながらの繰り返しの思考によって徐々に洗練されていった、ということです。今日のようなビジネススピードではとても間に合わない、のではなく、常々からアクシスを切って物事を俯瞰的に捉える習慣を身につけた者だけが、素早くしかも高度な俯瞰からのコンセプトを導き出すことが可能となるのです。


「コンセプトは物事の俯瞰から誕生する」


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