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2011-01-10ICTの歴史とUIコンセプトの歴史(その3)

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1987年にデジタル複合複写機が誕生しています。当時はアナログ型の機械からコンピュータ=デジタルへの転換がオフィス機器の世界で展開が始まった頃でした。そんな中で、デジタル化の先にどのようなOA世界が展望できるのかの近未来OAの展望を、尾上さんは検討していました。当時尾上さんはデザインディビジョンにおられたのですが、ユーザインタフェース開発の視点からOAがどのように進化できるのかを考えておられた、ということです。このマップはその時のものを少しだけアレンジして描いていますが、興味深いことにここには80年代後半頃のOA世界の代表的役者がすべてプロットされています。


右上のIBMに代表されるEDPS(Electronic Data Processing System)は、コンピュータの主たる役割である会計や 売上集計、給与計算と行ったシステムを代表する役割を担っていて、次世代の主役を目された存在として右上に置かれているわけです。(2軸平面マップでは基本的に右肩上がり=右上が未来として位置づけられるという暗黙の了解があります)


その対称的左下に複写×スタンドアロンの複写機、FAX、LPが置かれ、台頭してきているコンピュータとシステムの世界からは、取り残されていく気配が示されています。また、右方向にプロットされオフィスで既に大きな勢力となりつつあるオフコン、PC、WPとも異なる位置づけです。


そして左下の単機能的OA機器をシステム指向に転換していくことで、左上の「新OAシステム」として進化していこう、という戦略マップが描かれているわけです。


ここで注目して頂きたいのですが、マップの縦軸の下が「スタンドアロン」に対して上が「システム」は右肩上がりを示す軸として明快なのですが、横軸の右に「コンピュータ」左に「複写」とあるのは違和感を感じます。あえて言うなら「コンピュータ」に対してはアナログな「機械」とするのが妥当だと思うのですが、そこはメーカーにとっての機械=複写という概念が基盤としてあったことを示しています。


そして複写(オフィス機器)×システム=新OAシステムの構想領域を、その当時のOA技術動向全体を俯瞰しつつ位置づけているのです。そして、その後1990年代に入ってからOA機器は全てMFP(MultiFunctionPeripheral)へと進化していった、すなわちこのマップで示している新OAシステムが実現されていった、と言えると思います。


さてこのマップで大事なポイントは、といいますと、2つあります。1つはスタンドアロンとシステム、複写とコンピュータというアクシスで、前者が技術軸で後者が機能軸で捉えていることです。二つ目は複写機、FAX、LPといった自社の基幹製品と競合(オフコン、PC、WP)、EDPSのような先進的世界も含め、それらのドメインの相対位置を示しながら次への展開領域を示す位置づけがなされているところです。


このアクシスの取り方とプロットする要素のくくりが、マップの大事な鍵を握っているのですが、1つの完成度の高いマップを導くためには、アクシスとプロットする要素を繰り返しマッピングしながら粘り強く試行錯誤を繰り返す事が大事です。


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