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2012-09-20

[][][][]「空間の日本文化」オギュスタンベルクを読む─13 「空間の日本文化」オギュスタンベルクを読む─13 - 思考地図:OVALPLAN を含むブックマーク はてなブックマーク - 「空間の日本文化」オギュスタンベルクを読む─13 - 思考地図:OVALPLAN

 「空間の日本文化」結論 日本的範例は、残る二つ。


 「ⅩⅢ 要素間の横に向かった排除性のために、媒介(「縁」)が社会的関係の重大な鍵となる。A、B二つの要素は互いに対立しながら、第三項Cを通じて傾斜的に交流し合う。空間の社会的組織化においてこれは、非常にしばしば介在者の存在に訴えるという形で現れる。空間の物質的組織化においては、この原理のため直接的対立、移行よりも、緩衝地帯による包み込みが、したがって境界域(リミナリテ)機能がとりわけ重んじられることになる。」


 媒介=縁は、日本社会の内向き指向だから不可欠となる外部とのリレーションのためのソフトウェアであり、リアルな空間においては「緩衝地帯」が境界域機能として重要な役割を担う、と。


 日中の境界域(例の呼称を書くとサイバー攻撃で改ざんされる恐れがある)が大きな問題となってきているこの時期に合わせたかのような、今回の結論となりました。


 日本社会でよく使われる媒介=縁ソフトウェアとして、稟議書をオギュスタンベルクはあげている。日中の国交においては、恐らく経済交流=企業誘致が大きく貢献してきたことは間違いない。戦後補償問題がくすぶる中での正常化には、政治、文化、経済様々な面で媒介=縁を生み出し活用されてきたが、実空間における媒介=縁である「緩衝地帯」は、従来は台湾であったろう。その台湾は、日本と中国の媒介者としてまさしくソフト/ハード両面の大きな役割を担ってきたが、ここに来て中国国内の経済バランス異常事態の色が濃くなりかけてきたことが引き金となり、問題転移として国境問題へと展開してきている、というのが最近の事情でしょう。緩衝地帯は触れてはいけなかったのであり、先に触れてきたのが中国漁船の体当たり事件だから、日本側も触れるレベルから緩衝地帯を国有化するという手段へとエスカレートしてしまった。


 オギュスタンベルクは仲人のような仲介者を介したコミュニケーションが重要だと書いている。現実社会でも米国や(恐らく)ロシア、フランス、英国などの仲介依頼の使者が飛び交っていることだろう。こうした仲介者を通じたコミュニケーションはもちろんであるが、日本文化の中心人物であるべき政治家に本来の日本文化が分かっていないという嘆かわしい時代でもある、というところに、文化伝承がしにくい現代の新たなる問題が宿してきている、とオギュスタンベルクは忠告している。