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2012-12-29

[][][][][]「空間の日本文化」オギュスタン・ベルクを読む─つづき-2 「空間の日本文化」オギュスタン・ベルクを読む─つづき-2 - 思考地図:OVALPLAN を含むブックマーク はてなブックマーク - 「空間の日本文化」オギュスタン・ベルクを読む─つづき-2 - 思考地図:OVALPLAN

 オギュスタン・ベルクの「空間の日本文化」を読み続ける内に、日本人社会に共通してある課題に気づきつつある。最も大きな気付きは「準拠点は隣接する」とオギュスタン・ベルクが表現している、日本人の近視眼的行動基準の恐ろしさである。「みんなで渡れば怖くない」「寄らば大樹」「空気を読む」「(丸山眞男の)きょろきょろする日本人」・・・思い当たるキーワードが多く有る。それぞれには納得する背景があるし、その妥当性も頷けるが、それらを支配している日本人意識構造が「準拠点は隣接する」に根ざしたものだとすると,失敗に学ばない愚かな日本人としてこれからも何十年か何百年に一度の大失敗を繰り返していくかも知れない、との危惧をいだく。


 今日の読みとりは,今朝の日経記事に絡めてコメントする。と同時に、この「準拠点は隣接する」の課題は「世論とマスコミと政治」においての現象として観察できるとの思いからタグ付けしておく。


 『日本人は『黙る』『考えない』『思い込む』のどれかに陥っている。これらを正反対の姿勢に改めなければ、適切な技術開発はできない。』 畑村洋太郎 工学院大教授


 震災復興、原発危機、デフレ脱却、,,現在の日本が抱えている課題に対して『黙る』『考えない』『思い込む』の結果が、6割の投票率の中の4割の得票で8割の議席を独占する結果を招き、その結果としての政府を世論調査では55%の支持率である。55%は、民主党政権の鳩山由紀夫(68・7%)、菅直人(57・3%)、野田佳彦(59・9%)の各内閣発足時よりも低い。自民が294議席を獲得した衆院選の結果とは釣り合っていない。と、選挙実態のバラツキを説明せんがためにたかだか数千人の調査を「世論調査」と称して公表することで、あたかも今ここの状況を掌握したかの如くマスコミは報道する。『黙る』『考えない』『思い込む』日本社会は、結果的に肯定され問題は先送りにされる。


 『黙る』『考えない』『思い込む』日本社会に対して畑村氏は「これらを正反対の姿勢に改めなければ、適切な技術開発はできない。』と処方箋を書いている。すなわち「黙らない=発言する」「考えない=考える」「思い込まない=他の考えを探す」ということか? 当たらずとも遠からずではあるが、震災復興、原発危機、デフレ脱却、,,現在の日本が抱えている課題に対して日本人自身が真摯に立ち向かうには、もっと根源的なところでの意識改革が必要なのでは無いだろうか。


 例えば「準拠点は隣接する=隣接するところにしか目を向けない日本人」は、「隣接」を超えた、例えば「距離的な遠隔地」「時間的な未来」「友人や隣人では無い他人」「今ここには無い価値」「長い歴史的な視野」に準拠点を移してみるべきなのではないだろうか・・・という気付きが,今私の中に成長しつつある。

 

 以下参考までに上記日経記事を添付しておく。

 「思い込み」から抜け出せ-2013展望:畑村洋太郎:日経朝刊20121229

 震災復興、デフレ脱却、高齢化への対処:::。新政権の前途には難題が山のようにある。2013年の日本はどうすれば展望が聞けるだろうか。

──原子力発電所事故からどんな教訓を引き出すべきでしょう。

「事故の原因は『長時間の電源喪失は起こらない』との前提で運営していたことに尽きる。『あり得ることは起こる』『思いつきもしない現象も起こる』と考えるべきだ。2000年に米国の原発の専門家にこう言われた。『日本の技術屋は言わないといけないことを言わない。いつか大事故に見舞われるぞ』と」

 狭い国民の視野

──原発政策は衆院選の主要争点でしたが、具体的な議論にはつながりませんでした。「国民の反応は極端で視野が狭くなっている。反対派は事故が起きた途端に『脱原発『放射能ゼロ』に傾斜し、電力需給の安定に気を配れなくなっている。原発維持の側も多くの人が『安全基準さえあれば再稼働できる』と過信している。日本人は『黙る』『考えない』『思い込む』のどれかに陥っている。これらを正反対の姿勢に改めなければ、適切な技術開発はできない。


「原発に関してだげではない。財政難の根っこにあるのも『あり得ることは起こる』と考えない姿勢だ。国際収支が赤字になり、これ以上借金すれば、いずれ利払いがで

きなくなる。最悪のシナリオは米国や中国に金を借りる事態が起こること、日本国債を米中に大量購入されることではないだろうか。消費税率引き上げへの反対意見もわ

かるが、ほかの国に運命を左右される未来図に目をつぶるのも怖いことだ」


──高速道路の天井崩落事故も起きました。

「原発もそうだが、日本が世界一の水準に近いと思える技術はいくつかある。だが、ほかの国に大した技術がないと思うのは倣慢だ。公共投資をみても、中国やインドは鉄道など必要なインフラの技術を猛烈な勢いで磨き上げている。単に金をばらまくのではなく、目標を明確に絞り込んで取り組んでいる」「インドの地下鉄は100秒おきに列車を運行させる目標を立てているという。今の日本でも最短120秒ぐらいかかる。そう遠くない時期に日本は追い越されるところまできている」

「中国やインドの技術者は、自前のノウハウを押しつけようとする日本の姿勢を嫌がっている。彼らが望むのはノウホワイ(}go 巧老町三。どうやるかでなく、なぜゃか。それがわかれば、自国の風土や市場に合った技術を磨き上げられるというわけだ」


 「いい物」に固執

──大手電機メーカーが苦戦するなど国際的な競争力低下は深刻です。

「中国で液目聞や半導体メーカーの担当者に話を聞くと、市場の声に即した製品なら技術は周囲遅れでも構わないという。日本は『いい物を作れば売れる』と自社製品に自信を見せるが、そういう発想に凝り固まっているから逆に市場の求めに応じきれていない面がある。たとえば中国製品が市場をほぼ独占した太陽光パネルはどうか。品質などに問題はあるだろうが、安さを求める消費者に素直に応えた結果にほかならない」

「日本の企業は欧米のまねをして高度成長をたしてきたが、お手本がなくなり迷走している。これからの日本には市場や社会の要求に謙虚に耳をすます姿勢が大切になってくる」

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